外科医のピークの年齢は何歳?限界はある?
外科医は第一線で働ける期間・寿命が短い?セカンドキャリアを考える時期はいつから?
そんな疑問はありませんか。
『外科医』は、医師向けの「いちばんきついと思う診療科目は?」というアンケート調査で、1位「どの科も同じ」、2位「産婦人科医」に次ぐ3位と、過酷な労働を強いられることで有名です。
「何歳まで外科医を続けられるのか…」心配な人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、外科医として勤務している人や、これから外科医を志望しようと検討している人向けに、外科医のピークの年齢や第一線で働ける期間、限界の有無、外科医がセカンドキャリアを考えるといい時期についてお伝えします。
外科医のピークの年齢は何歳くらい?
外科医は、手術中、長時間立ちっぱなしのまま下を向き、集中力を切らさず、処置を続けなくてはいけない、過酷な仕事です。
医師の中でも、とくに体力を使うため、外科医のピークの年齢は若く、35~45歳くらいと言われています。
24歳で医師になり、初期臨床研修を終えて、外科医として走り出して…と考えると、10年足らずでピークを迎えることになり、早い適応能力・学習力も必要な診療科だと言えます。
外科医の寿命は短い?第一線から退く年齢
ピークの到来が早い『外科医』ですが、外科医の寿命(=手術を執刀し続けられる限界値)もほかの診療科と比較して短いと言われています。
一般的に、外科医が手術の第一線から退くことを考える年齢は40~50代です。
なかには、60歳以上になっても手術を執刀する医師もいますが、それは有名な医師であったり、病院の院長クラスであったりと一部のケースで、一般的には50代後半には引退・セカンドキャリアを検討する人が多いです。
理由としては『体力』の衰えを感じることはもちろん、外科医は手術で『視力』を必要とするため、『眼』の衰え(老眼)も、外科医の寿命が短くなる要因の1つです。
『外科医』は、おおむね50歳前後から、徐々に手術から離れて、手術は後輩の外科医に任せ、自身は外来や往診、管理職の業務に注力する人が多いという傾向があります。
「人生100年時代」と言われる現代の日本において、外科医をするなら、セカンドキャリアを、考えておく必要があるんですね。
外科医がセカンドキャリアを考える時期はいつ?
体力の限界・視力の限界を感じやすい『外科医』。
『外科医』がセカンドキャリアを考える時期は、個人差はあるものの、遅くとも40代半ば〜50歳前半には検討しはじめる人が多いです。
また、専門により若干異なり、『外科医』の中でも “脳神経外科” や “心臓血管外科” の医師は検討時期が早く、40代半ばには引退を考えはじめ、“一般外科” や “整形外科” などの医師は、50代以降でセカンドキャリアを検討しはじめる傾向が見られます。
重症患者が多く手術時間が長時間に及んだり、緊急の手術も重なるなど、手術の負担が大きい専門分野の医師ほど、早く引退を検討せざるを得なくなるんですね。
外科医のセカンドキャリアは?
外科医のセカンドキャリアは、ほかの職業同様、時代の多様性が広がるにつれて、選択肢が増えてきました。
<外科医のセカンドキャリアで多いパターン事例>
① 一般病院・クリニックで外来・救急などを担当
② 慢性期寄りの医療機関・リハビリテーション領域で働く
③ 介護老人保健施設の施設長・産業医
④ 在宅医療・緩和ケアの領域に挑戦
⑤ 開業
とくに近年は、在宅医療・訪問診療の分野での需要も多く、社会的な意義も高まっているので、30代〜40代など、若い世代を中心に、早いうちからキャリアチェンジする例も少なくありません。
また、オンライン診療や週3日程度での時短勤務など、多様な働き方が認められるようになってきたので、都会の喧騒から離れて地方に移住し、週3日は医師として働きながら、残りの日は農業をするという『半農半医』というワークスタイルを実現する人も出てきました。
外科医のセカンドキャリアも、多様になってきたと言えるでしょう。
外科医のセカンドキャリアを成功させるには、早いうちから対策を!
なお、『外科医』のセカンドキャリアを成功させるためには、”できるだけ早い段階からキャリアプランを検討する” ことが大切です。
体力の限界がきてからセカンドキャリアを歩もうとしても、準備期間が少なく、自分の思う転職ができなかったり、適応するのに苦戦して、ストレスを抱えるリスクがあります。
50代・60代・70代の自分を想像し、「どんな生活・働き方をしていたいか?」を考え、セカンドキャリアに必要なスキル・知識・経験を蓄積しておきましょう。
転職時期を2〜3年早めて、少しでも体力のあるうちに、新たな挑戦をすすこともおすすめです。
専門分野を活かしたセカンドキャリアを歩みたいなら…
もし、外科医としての専門分野を活かして、50代以降も活躍したければ、スペシャリストとして活躍できるよう、若いうちから、経験を積む・学べる環境にいることが大切です。
外科医にとって、症例をどれだけ経験できるかや、専門の指導医の下で研鑽を積めるかは、セカンドキャリアを大きく左右します。
家庭の事情などでむずかしい場合もありますが、外科医としてキャリアを積むことができる病院があったら、転居・引っ越しが必要であったとしても、症例の多い病院に転職した方が良い可能性があります。
外科医のピークが早く、寿命が短い分、決断を後回しにせず、先回りして自分のキャリアプランを考えていきましょう。
外科医もいろんなセカンドキャリアを歩める時代
外科医も、多様な働き方が認められる時代になってきました。
医師をしながら農業をしたり、大学院に入学して研究者になったり、医師の資格を活かして事業をしたり…など、自分のやりたいことを自由にやれる時代です。
「5年後、10年後、15年後…」にどうなっていたいかを考え、先回りしてキャリアプランを検討し、希望ある充実した未来を実現してください。