- 管理栄養士はコミュニケーション能力が必要?
- 管理栄養士にとってコミュニケーション能力が必要な理由は?
管理栄養士になるためには、『管理栄養士国家試験』に合格しなければいけません。
結果、最低でも、管理栄養士国家試験に合格するレベルの “専門知識” を身につける必要があります。
知識を身につけられるか、苦手な勉強が続けられるか…など、心配している人も多いでしょう。
ただ、じつは管理栄養士には、専門知識以外に、”必要なスキル・能力がある” と言われています。
それは、”コミュニケーション能力” です。
そこでこの記事では、管理栄養士にコミュニケーション能力を必要とする3つの理由についてお伝えします。
管理栄養士にとってコミュニケーション能力が必要な3つの理由
管理栄養士にとってコミュニケーション能力が必要な理由として、下記の3つがあげられます。
- 他職種と連携する機会が多いから
- 栄養指導となる対象者の世代がバラバラだから
- 患者さんや利用者さんへ信頼される管理栄養士になるため
理由1. 他職種と連携する機会が多いから
まず1つめの理由として、”他職種と連携する機会が多い”ことが挙げられます。
基本的に管理栄養士という職種は、1人で業務をこなすのではなく、他の職種とチームを組む場面が多いです。
つまり、チームで活動する以上、高いコミュニケーション能力が求められるというわけです。
特に病院においては、NSTのトップとして他職種に指示を出したり引っ張ったりしながら、患者さん1人1人の栄養状態の分析や評価をしなければなりません。
NST(Nutrition Support Team, 栄養サポートチーム)
・・・医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、言語聴覚士、歯科医師、歯科衛生士などで構成された医療チームのこと。
患者にとって、最適な栄養管理を提供することを目的としている。
例えば医師や看護師に患者さんの栄養状態を伝える際は、ただ内容だけを伝えるのではなく、併せて今後の治療方針や栄養指導の内容について話すと良いでしょう。
先頭を切ってNSTを引っ張っていく姿を見た他の職種からは、「あの管理栄養士はよく頑張っている!」と、高い評価を得られるかもしれませんね。
もちろん管理栄養士がトップに立つ場面は、病院だけではなりません。
例えば委託給食会社においては、調理員やパートの方へ”食形態の変更”、”調理法の変更”などを、管理栄養士から依頼をする場面があります。
その際に、ただ依頼するのではなく「誰が」、「いつから」、「何から何の食形態の変更か」、「どうして」と具体的な説明を交えることで、調理を担当する方々も理解しやすく、依頼されても嫌な気持ちになりません。
同じ職場で働く他職種との信頼関係を築くためにも、管理栄養士のコミュニケーション能力はとても重要となってきます。
理由2. 栄養指導となる対象者の世代がバラバラだから
管理栄養士は、患者さんや利用者さんへ栄養指導をする機会が多いです。
なおかつ、食事指導をする対象者は老若男女問わず幅広い世代なので、その都度「話すスピード」や「話し口調」など合わせることも必要。
また対象者の年代がバラバラということは、話の切り出し方にも工夫が必要となってきます。
例えば小児科病院に入院している小さな子供に対して、要点を決めずにダラダラと話していると、対象者である子供は話に飽きてしまうので、単刀直入に食事指導を始まることが重要。
反対に、自分の家族の話や今日の出来事を話す人が多い傾向のある高齢者の場合は、まずは”本人たちの話を聞いてあげて、そこからどのような食生活を送っているのか”を読み取ることが大切となってきます。
「どのような対象者なのか」を事前に把握しておき、”どのようにして食事指導を行えば良いのか”を臨機応変に対応しなければいけない点が、コミュニケーション能力を必要とする管理栄養士の腕の見せ所です。
理由3. 患者さん利用者さんに信頼される管理栄養士になるため
コミュニケーション能力次第では、患者さんや利用者さんへの信頼を失う可能性も考えられます。
患者さんや利用者さんのなかには、「こんな食生活を送っているとお医者さんに怒られないかな」、「管理栄養士さんの言うことを聞かなかったら怒られるのかな」と、医療従事者に対して恐怖心を抱いている方も居ます。
実際に私が勤務していた病院にも、自分のことを話すことに対して抵抗がある方は何名か居ました。
そんな方々に対して1番やってはいけないことは、無理に話を引き出すことです。
まずは日常生活の話をして、”この方は今までにどのような生活を送ってきたのか”を理解し、”この方に必要な栄養ケアは何か”を読み取りましょう。
他人にはなかなか打ち明けられない話を持った患者さんや利用者さんが、”この管理栄養士になら話せる”と思ってもらえる関係性を築くことが、栄養指導を行う上で大切と言えるでしょう。
そのような信頼関係を築くためにも、管理栄養士にはコミュニケーション能力が求められるというわけです。
コミュニケーション能力以外で求められる能力は?
管理栄養士にはコミュニケーション能力が必要ですが、この能力以外にも、管理栄養士には体調管理能力が求められます。
患者さんや利用者さんに栄養指導を行う上で、より説得力を持たせるためには、管理栄養士本人の体調管理がしっかりできていなければ意味がありません。
よく風邪を引いたり病気を患ったりする管理栄養士よりも、健康状態を毎日維持できている管理栄養士からの指導の方が、対象者も納得しやすいでしょう。
また経験上、「管理栄養士ってこんなにも体力が要るのか…」と思うくらい、管理栄養士には体力が必要です。
委託給食会社に就職した際、重い鍋を抱えたり立ちぱなしで業務を行ったりしていたため、ある程度の体力が無ければ倒れてしまうと感じました。
また病院に就職した場合においても、病棟に行ったり厨房に行ったりと、慌ただしい日を送ることもあります。
就職する場所にもよりますが、最低限の体力を身につけておくことも、管理栄養士として働く上で必要不可欠だと言えるでしょう。
コミュニケーション能力の高い管理栄養士を目指そう!
管理栄養士にはコミュニケーション能力が必要であるとお伝えしました。
他職種との連携を図るためにも、そして、患者さんや利用者さんから信頼されるためにもコミュニケーション能力の高い管理栄養士を目指しましょう!