TOEICは就活で意味ない?
TOEICの点数が “就活で有利になる時” と “役に立たない時” には、どんなちがいがあるの?
そんなお悩みありませんか?
TOEIC(トーイック)は、ビジネスでの英語のコミュニケーション力を測れる試験として、毎年、学生から社会人まで多くの人が受験しています。
大学入試や一部の就職・転職試験の指標としても活用されていて、「TOEICで高得点を取れたら就活に有利」という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
実際、TOEICの試験対策を行なっている大学は少なくありません。
でも一方で、「TOEICは就活では意味ない」「TOEICの点数は、就活では全然役に立たなかった…」という人もいるんですよね。
そこで今回は、実際のところ「TOEICは就活で意味ないのか?」や、TOEICの点数が就活で有利にはたらく時と、選考の役に立たない時のちがいについて調査しました。
「TOEICは就活で意味ない」のは一部ケースのみで、有利になることが多い
結論から言います。
「TOEICは就活で意味ない」というのは、一部のケースを切り取ったデマです。
たしかに、TOEICの点数が低い場合や、目指している職種・業界によっては、TOEICの結果が就活に影響しないことはあります。
でも、TOEICの点数で高得点をとっている場合は、どのような企業・業界の就活試験を受ける上でも、好印象になることが多く、TOEICが就活で無意味というわけではないので、注意しましょう。
TOEICが就活で有利になる3つのケース
先述の通り、TOEICは就活で有利になるポイント・強みの1つになります。
とくに、下記の3つのケースの場合、有利になるので、ぜひ活用しましょう。
1.「英語」を使う可能性がある企業・業界・業種を受ける時
TOEICが就活で有利になる代表的なケースとしては、外資系企業や商社など『英語』を使う可能性がある企業・業界・業種の就活試験を受ける時 があげられます。
英語力を必要としているので、ビジネス英語のコミュニケーション能力がどれくらいあるかを測る指標として、TOEICが役立ちます。
受験したい企業や業界・業種などによって、TOEICが有利になる点数が変わってくるので、自分の目指している企業が何点くらいを求めているかを、事前に人事担当者やOBに聞いたり、Web上の口コミなどを調べてみましょう。
<TOEICが有利になる点数の目安>
TOEICが有利になるスコアめやす | |
---|---|
外資系企業 | 750点以上(できれば800点以上が望ましい) |
商社 | 700点以上 |
大手企業 (海外赴任の可能性あり) | 700点以上 |
旅行業界・客室乗務員 | 650点以上 |
一般企業 | 600点以上 |
2.「英語」が必須ではないものの、「英語力がプラスになる可能性」がある時
TOEICが就活で有利になるケースの2つ目は、英語力が必須ではないものの、英語を使う可能性があるときです。
たとえば、いま海外拠点がない一般企業であっても、① 今後、海外進出を視野に入れたいと思っている企業 や、② 外国に工場を作りたい企業、③ 頻繁にではないものの、外国から来客がある可能性がある企業 などは、英語力を明確な合否基準にしているわけではなくても、他の要素が同程度の就活生がいた場合、「TOEICの点数が高い就活生を採用しておこう」という判断になる可能性があります。
グローバル化が進む現代において、多くの業界において、海外とのやり取り・ビジネスが発生しやすくなっているので、TOEICで高い点数を取っておくことは、就活にプラスになることが多いです。
3.「英語」は不要なものの「優秀さ・勤勉さ」を測る基準にする時
TOEICが就活で有利になるケースの代表例、さいごの3つ目は、英語は不要でも「優秀さ・勤勉さ」を測るバロメーターにするときです。
“TOEICの点数が高い” = “優秀・真面目・勉強にしっかり打ち込んできた” という好印象につながります。
企業側としては、真面目な学生、コツコツと仕事に打ち込んでくれる学生、途中で辞めない学生を採用したいという思いを持っているケースが多いです。
「英語は業務に絶対必要ない」と確信している企業であったとしても、TOEICの点数が高いことが、勤勉で、基礎学力の高い学生などの好印象につながり、採用が有利になるケースは少なくありません。
TOEICの勉強に打ち込むことが、自分の印象を良くする自己PRの1つとして使えることもあるので、「就活に有利じゃないなら、TOEICの勉強やめようかな…」と迷っている人は、やめずに継続してみてください。
https://shokugyoujin-bible.com/shrine-tokyo_596.html
TOEICが就活で役に立たない5つのケース
基本的には、”TOEICは就活で有利になる” ケースが多いのですが、下記の5つのケースの場合、就活の役に立たないこともあるので、注意しましょう。
1.「TOEICの点数」が足りない時
TOEICが就活で役に立たない場合で、いちばん多い理由は、受けた企業の採用基準において「TOEICの点数が足りなかった」というケースです。
先に記載した通り、外資系企業を受ける場合に有利になるTOEICの点数は、”750点以上(できれば800点以上が望ましい)” と言われていますが、もしそこに “TOEIC 650点” と記載した履歴書・ESを提出したら、書類審査の段階で足切りされてしまう可能性もあります。
自分の受けたい企業が、英語力を重視する企業で、TOEICの点数の記載を必須にしている場合は、「どの程度の点数を求めているか」を事前に確認し、スコアアップ対策をするようにしておきましょう。
なお、誤解はしないでほしいのですが、就活において、採用合否をTOEICの点数だけで決めることはほとんどありません。
TOEICの点数が基準より低くても、”魅力がある就活生・将来性を感じる就活生であれば採用したい” と思う人事担当者は少なくなく、TOEICの点数が低いからといって、落ち込まないでください。
採用試験まで時間がある人は、TOEIC対策をしてみましょう。採用試験まで日がない人は、ほかに自己PRできる要素はどこかを考え、ES対策・面接対策をしていきましょう。
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2.「TOEICの点数」でほかの就活生と差がつかない時
TOEICの点数が、ほかの就活生と拮抗していたという場合も、就活でTOEICの点数が有利にならないケースの1つです。
ほかの就活生も自分と同程度の点数を取得している可能性があるときは、『中国語検定』『フランス語検定』などを受験して、 “ほかの外国語の学習にも取り組んでいること” をアピールしたり、ファッション業界を受けるのであれば、ファッションの専門用語など、”入社後に使えそうな専門単語の学習に力を入れていること” を記載したりして、差別化を図りましょう
3.「TOEIC以外の英語力試験」を重視している時
就活で参考にされる英語の資格といえば『TOEIC』ですが、まれに『英検1級』取得者を優先する日系企業があったり、欧米への派遣・移住を見越して『ILELTS(アイエルツ)』の受験を求める企業もあるので、TOEIC以外の資格の受験を推奨されている場合は、注意しましょう。
4.「語学力」や「勉強以外の要素」を重視して選考している時
体力や明るさ、根気など、語学力や勉強以外の要素を重視して選考しているときも、TOEICが役に立たないことがあります。
たとえば、あるIT企業では、月末の〆切前など激務になることが多いので、”何よりも体力” を重視して、運動部出身者を取るようにしていたり、企業風土に合うように、”積極的にコミュニケーションを取ろうとする性格” であることを重視して採用したりしていました。
企業ごとに採用基準で重視するポイントがちがってくるので、”TOEICで高得点を取得していること” は、採用を進める上でプラス要素になるものの、就活無双できる絶対的な要素にはならないことは、肝に銘じておきましょう。
5.「英語力」を使う場面が「将来的にもない」と思われる企業の時
なお、”英語を業務で使う可能性が、将来的にもない企業” の場合は、「TOEIC800点取得」などと記載しても、全く触れられない可能性もあります。
その場合は、語学力以外に重視しているポイントがあるはずなので、受ける企業に合わせて、語学力以外にアピールできる要素を探して、自己PRしましょう。
基本的に、TOEICが就活で有利なのは変わらず。勉強して損はなし!
これまで見てきた通り、TOEICの点数が、就活で役に立たないこともあるのですが、多くの場合、TOEICで高得点を取ることは就活を有利に進める1つのポイントになります。
勉強して損はないですし、就職した先の未来で、もし転職するとなった際にも役に立つ可能性もあるので、ほかに取り組むべき課題との優先順位を考えつつ、TOEIC受験・対策を行っていくと良いでしょう。
就職して、英語を全く使わない生活になると、英単語や文法など、学生時代に学んだ知識をどんどん忘れてしまうので、学生のうちにTOEICの勉強に励んでおいた方が効率的です。
「就活に有利にならないなら、TOEIC対策やめても良いか…」と思っていた人は、ぜひこの機会にもう一度、TOEIC受験を検討してみてください。