「友達に紹介されたセミナーがどうも怪しい…。」
「無料の起業セミナーに参加したら、高額なセミナーに勧誘された。」
「家族がセミナー講師に心酔して、啓蒙活動をはじめた。」
そんなお悩みや経験はありませんか?
「わたしは怪しいものには引っかからない!」と思っていても、急に友達から勧誘されたり、家族が心酔してしまって生活が一変したり、というケースは少なくありません。
じつは私も数ヶ月前、取引先の人から「人生が変わったセミナーがある」と紹介されて参加したところ、セミナーの内容が洗脳に近く、ショックを受ける経験をしました。
「わたしは大丈夫」と思っていても、数日間にわたり、大量の卒業生やスタッフの人に取り囲まれてセミナーを受けると、「その考えに染まらない自分がおかしいのでは?」と不安になってしまうんですよね…。
セミナーが、新しい知識や技術、考え方を学ぶのにとても有効な機会であることは間違いありません。ただ一方で、高額な商材を売る、同調圧力をかけて特定の価値観に染める、など怪しいセミナーがあるのも事実です。
そこで今回は、騙されたり依存したりしないために、怪しいセミナーの特徴・見分ける13のポイントをお伝えします。
怪しいセミナーの特徴
怪しいセミナーには、下記のような特徴があります。もし、セミナーを申し込む前なら、注意しましょう。
特徴① セミナーの詳細が非公開
一般的なセミナーは、セミナーで取り扱うテーマや、全体の流れ、カリキュラムなどを公開しているものが多いですが、怪しいセミナーは内容『非公開』のケースが多いです。
怪しいセミナーは、事前に内容を公開してしまうと、参加申し込み時点で怪しむ人が増え、内容が薄いのが事前にバレてしまいます。
「セミナー参加者のみ体験できます」などの文言で、参加者限定のスペシャル感を出している場合もありますが、本当に良いことを発信しているのなら、堂々と公開することも可能なはず。
チラシやWeb上での詳細公開を制限しているだけでなく、『紹介者』がいて、紹介者に聞いても「詳しいことは言えない」と言われた場合は、とくに注意しましょう。
特徴② セミナーの目的が抽象的
「100万円稼げる方法」「人生が激変するセミナー」など、抽象的な目的を掲げている場合も注意が必要です。
たとえば、
「IT導入補助金セミナー」
「Webデザイン初心者向け Photoshop講座」
「スマホカメラ教室」
などは、誰が見ても目的や習得できるスキル・知識が明確ですよね。
怪しいセミナーの場合は、具体的なスキルや成果を提供せず、根拠のない内容を、すごいノウハウだと演出して話すので、注意しましょう。
抽象的な表現で集客するのは、起業・副業・投資・自己啓発系のセミナーに多いケースで、高額な受講料を取られるケースもたくさんあるので、とくに注意してください。
特徴③ 受講料が高額(入口だけ無料・安価な場合あり)
怪しいセミナーの場合、主催者がセミナー収益を当てに商売をしているので、”セミナー受講料が高額になる” ケースが多いです。
高額なセミナーすべてが怪しいというわけではありませんが、5〜30万円以上するセミナーは、とくに注意しましょう。
また、最初だけ “無料” や “数千円程度” のお手頃価格で集客し、「もっと知りたければ、ベーシックコースだけでなく、アドバンスコースを〜」などと、高額な受講料を要求するのは、常套手段です。
「無料だから…」と安易に参加せず、セミナー内容をよく確認してから参加するようにしましょう。
特徴④ 複数日連続・長時間・合宿制
「3日間集中」「1週間で学べる」など、短期間に複数日連続で開催するセミナーや、泊まり込みなど合宿制で開催するセミナーも要注意です。
洗脳系のセミナーなどは、セミナー期間中に外部との連絡を遮断したり、短期間に内容をくり返し叩き込んだりすることで、参加者を支配しやすくなるので、複数日にわたり参加を促すケースがあります。
「短期間に一気に学べて効率的では?」と思うかもしれませんが、合宿など泊まり込みのセミナーでは、参加してしまうと逃げ場がありません。
少しでも怪しいと思ったら、参加を見送ったり、そのセミナーの評判や口コミに関する情報収集をして、詳細を確認するようにしましょう。
特徴⑤ snsの写真が不自然・ブランド物・高額品
セミナー主催者がSNSに投稿している写真が、不自然なほど皆が笑顔・ハイテンションで映っていたり、ブランド物や、高額の商品、リゾートでの豪遊を匂わせるものが並ぶ場合も注意が必要です。
セミナー主催者のSNSは、怪しいセミナーかどうかを事前に見分ける上で非常に参考になる要素です。
わたしは取引先の人から洗脳系の自己啓発セミナーを紹介された際、「仕事関係の人に変わったセミナーは紹介しないだろう…」と、事前に主催者のSNSを全くチェックせず参加してしまいました。
でも、あとで主催者のSNSを確認したところ、「不自然なほど笑顔の集合写真」や「参加者がみんなでハイテンションに踊る写真」が投稿されていて、そのセミナーが自分には合わないことが、一目瞭然でした。
セミナーに参加する前に、SNSで雰囲気を知ることができれば、自分に合わないセミナーに参加して後悔することが減ります。
「公式サイトでは、すてきなことを書いていたものの、SNSで投稿している受講者の写真が、みんな無理して笑っている感じだったので、怪しいと思った。」
「主催者のインスタを見たら、ブランドものや高級レストラン、海外リゾートなど、人の物欲・金銭欲を刺激するような写真ばかり並べていて、お金集め目的だと気づけた。」 など、
SNSがきっかけで、怪しいセミナーかどうか見分けられたという声は少なくありません。セミナーに参加する前に、主催者のSNSをチェックしてみましょう。
特徴⑥ 参加者の体験記がない・口コミが称賛だけ
Webで検索しても、セミナーに関する口コミや体験記が一切出てこない場合や、口コミがあっても、称賛する内容しかない場合は、注意が必要です。
一般的に受け入れられないような内容や怪しい内容の場合、「セミナー内容を口外しない」という約束を参加者にさせている場合が多く、極端にセミナーを受講した人の体験談が少ない傾向があります。
歴史が浅いセミナーではないのに、検索しても体験記や口コミが出てこない場合は、注意しましょう。
また、口コミが出てきても、100%称賛ばかりで、全く苦言や改善要望などの声が出てこない場合、本当にすばらしいセミナーであれば良いのですが、主催者が信奉者に書かせているケースもあるので、要チェックです。
特徴⑦ 主催者の経歴が古い or ない
主催者の経歴が古かったり、主催者の情報がない場合も、怪しいセミナーの可能性があり、注意が必要です。
時代が変われば、流行や必要な知識も変わりますよね。セミナー主催者も本当に有能な人であれば、時代と共に、新しい業績を上げたり、新しい知識を習得したりするはず。
もし、「2023年なのに、10年以上前の業績だけが載っていた」「主催者が具体的にどんな成果を上げた人なのかわからない」という場合は、よく注意するようにしましょう。
特徴⑧ 紹介者が会うたびにセミナーの話をする
紹介者が会うたびにセミナーの話をする場合も、洗脳に近い状態で心酔しきっている可能性があり、注意が必要です。
自分が良いと思ったモノ、たとえば車を買った時、買ってすぐの時は、「買って良かったよ〜」と周囲の人に話したくなりますよね。
でも、よっぽど相手から話を振ってきた場合を除いて、2回目、3回目、4回目…とずっと会うたびに車の紹介をすることはないはずです。話題はほかにもありますし、その人が「車買おうかな…」と自分から言い始めるまで、あえて毎回プッシュする必要がないからです。
でも、洗脳系のセミナーや勧誘系のセミナーに参加している人は、主催者から「あなたの周りの人も幸せにしましょう」「1人連れてきたら◯円」と言われたり、「新しい人を連れて来た人をみんなの前で表彰する」など、周りの人の勧誘・紹介を誘導されます。
結果、会うたびにセミナーの話をするといった、不自然な行動になるのです。
わたしは、知人から洗脳系の自己啓発セミナーを紹介された際、その人に会うたびにそのセミナーの話をするので、「そんなに素晴らしい内容なんだ」と好意的に捉えてしまいました。
でも、セミナー終了時、主催者から「あなたは紹介者のおかげで今日ここに来ることができて、幸せを手にしました。だから次はあなたの番です。あなたの周りの人に幸せの連鎖をつなげていきましょう」と言われ、ゾッとしました。
知人は、主催者に言われるがまま、集客マンになっていたのです。「自分は紹介してあげて、良いことをしている」と完全に思い込んでいるので、なかなか厄介ですよね。。。
紹介者がやたらセミナーの話を絡めてくる…という時は、よく注意するようにしましょう。
特徴⑨「人生が変わった」がウリ文句
「(セミナーで)人生が変わった!」「人生が激変する!」は、怪しい洗脳系セミナーや起業・投資セミナーの常套句なので警戒しましょう。
たしかに、セミナーに参加し、講師や仲間との良い出会いに恵まれたり、有益な情報・ノウハウを習得できたことで、人生が変わることもあります。
ただ、あまりにも「人生が変わった」という人が多い場合、① 言いなりになりやすい人が多い集団になっていたり、② 具体的なスキル・ノウハウではなく、精神論ばかり語る内容になっていたりするので危険です。
具体的なセミナー内容を確認するなど、警戒するようにしましょう。
特徴⑩ 新規参加者よりスタッフやリピーターの方が多い
「新規参加者」より「スタッフ」や「リピーター」が多い場合は、集団で取り巻くことで、新規参加者を洗脳・支配しようとしている可能性があり、要注意です。
わたしが知人から紹介された、洗脳系の自己啓発セミナーがまさにこのタイプでした。
どんなに「わたしは大丈夫」「変な思想の影響は受けない」と思っていても、数日間にわたり、大量の卒業生やスタッフの人に取り囲まれてセミナーを受け、みんなが主催者の意見に賛同しているという環境にいると、「その考えに染まらない自分がおかしいのでは?」と不安になってしまうんですよね…。
少数意見の人が多数意見に合わせるよう、暗黙のうちに強制する『同調圧力』がはたらくからです。
・卒業生やスタッフに取り囲まれた。
・個人面談と聞いて行ったら、相手が複数人で、1対複数人の状況にされた。
という場合は、同調圧力をかけて、マインドコントロールしようとしているケースがあります。よく注意しましょう。
特徴⑪ より高額な商材を勧めてくる
セミナー終盤でもっと高額な商材を進めるのが、怪しいセミナーの常套手段です。
わたしが参加したセミナーは、4日間10万円弱で「高いな…」とは思ったものの、取引先の人に紹介されたので、「ビジネス的なセミナーであれば、それくらいの料金がかかるものもあるし…」と参加してしまいました。
結果、セミナー最終日には「もっと成長できるアドバンスコースがある」とより高額なセミナーコースを勧誘されたり、「セミナー時に使用したテープを購入できます」など、とても高額の価値があるとは思えないCDなどの商材を販売されそうになりました。
『怪しいセミナー』は、はじめから数十万・数百万かかるわけではありません。
「無料だから」「1万円・10万円程度だから」と気軽に参加せず、事前にきちんと情報収集をしてから参加を決めましょう。
特徴⑫ 外部との連絡を絶たせる
セミナー期間中など、「外部との連絡を絶たせる」ような指示をしてきたら、注意が必要です。
外部との連絡を絶たせて「主催者からの画一的な情報のみを与え続ける」のは、洗脳・マインドコントロールでよく用いられる手法です。
外部との連絡を絶たせることで、洗脳状態を解く情報に触れる機会をシャットアウトできるので、主催者の都合の良い考え方に染まりやすくなります。
・休憩中にスマホは禁止。
・合宿中は外出禁止。
・帰宅後もできるだけ1人で過ごそう。
などの指示があった場合、主催者側の言いなりになりやすい環境が成立している可能性があるので、よく注意してください。
特徴⑬ 独特なルールが多い
一般的なセミナー・勉強会では提示されない「独特なルール」が多い場合も注意が必要です。
たとえば、セミナーにおいて、「スライドの撮影はNG」「受講中のスマホ使用はNG」「(特定箇所について)参加者限定の情報公開なので、口外NG」といったルールをお願いされることは多々あります。
でも、怪しいセミナーになってくると、こうしたルールがより厳しくなってきます。
・全日程参加が必須。途中辞退は “絶対に” NG。
・セミナー内容 “一切を” 口外禁止。
・”休憩時間中でも” 外部との連絡はNG。
・参加者同士で貶し合う、褒め合う、ハグするなど、主催者の指示には “必ず従わなくてはならない”。
など、取り決めが増えてきて、「セミナー参加の前に約束したから…」という心理につけ込んで、受講者を洗脳しやすい環境へどんどん誘います。
結果、おかしいと思った時に逃げられない環境ができたり、周囲に助けを求められなくなったり、セミナーに参加していない人の客観的な意見を聞く機会が制限されたりと、自分の意思では動けないプログラムがはたらくのです。
事前のルールを聞いて、少しでも「おかしいな…」と感じたら、勇気を出して参加を辞退したり、そのルールに従えない旨を伝えるようにしましょう。
怪しいセミナーに騙されないよう気をつけよう
世の中には、怪しいセミナーや広く受け入れられるとは言い難い独特な内容を発信するセミナーがたくさんあります。
「自分は騙されない」
「ぜったい洗脳されない自信がある」
と思っていても、ふとした時に、思いもよらぬ人からの紹介などで、怪しいセミナーに足を踏み入れてしまう可能性があります。
少しでもおかしいな、怪しいな…と思ったら、事前に情報収集を徹底するなど、対策を講じるようにしましょう。紹介者との関係性に距離ができることになったとしても、キッパリと断ることが大切です。
ぜひ参加を決める前に、熟考してみてください。